外壁塗装をやらないとどうなるのでしょうか。新築のときの塗装は、時間が経つにつれて徐々少しずつ劣化していきます。塗り替えは定期的に必要ですが、適切な塗り替え時期を見極めるのは簡単ではありません。
この記事では、外壁塗装をしないで放置した場合のリスクと、塗り替え時期のサインである劣化について解説します。
外壁塗装をやらないとどうなる?
外壁塗装の塗り替えをしないで放置すると、多くのリスクがあります。見た目の劣化だけでなく、さまざまな問題が生じてくるのです。具体的にどのようなことが起こるのかを解説します。
家の外観が悪くなる
外壁塗装が古くなると、家の外観が色あせ、全体の美観が損なわれます。長期間放置すると、塗装が割れたりはがれたりすることがあり、その結果、雨漏りなどさまざまな問題が発生します。
また、外観が悪くなると周囲の人にあたえる印象も悪くなり、不快な思いをすることがあります。
断熱性の低下
外壁塗装を放置すると、隙間が生じて断熱性が損なわれます。その結果、夏は冷房の効果が減少し、冬は室内が冷えやすくなることがあります。断熱性の低下は、住み心地の悪化に直結します。
雨漏りのリスク
外壁塗装が劣化すると、ひび割れや剥がれが生じ、放置していると雨水が侵入し始めます。一般的には外壁から雨水の侵入したからといって、すぐに雨漏りを引き起こすわけではありません。しかし、室内で雨漏りが発生すると、深刻な状況になるため、早めの対処が必要です。
雨漏りを放置すれば、被害は家具や床だけでなく、住宅の内部構造が損傷し、カビが発生することもあります。健康にも悪影響をあたえる可能性があるため、修理コストを考慮しても、雨漏りが発生する前に外壁塗装を行うことがおすすめです。
シロアリや害虫の発生リスク
雨漏りが発生すると、その問題は雨漏りだけにとどまらず、シロアリなど害虫が発生するリスクも高まります。雨水によって湿った木材は、シロアリにとって魅力的な環境です。シロアリが集まりやすくなることが考えられます。
シロアリが脅威となるのは、建物の木材を徹底的に食い破ることです。食害により木材が空洞化すると、建物の構造は強度が低下し、耐震性が損なわれます。このような状態になると、単なる修繕では不十分で、大掛かりなリフォームが必要となるでしょう。
外壁塗装は10年が目安
使用する壁材や塗料により異なりますが、外壁塗装の一般的な持続期間は10年程度とされています。
これは、新築の住宅で築10年を迎える頃に、外壁の塗り替えが必要となることを意味します。外壁塗装が必要になる時期には、さまざまな劣化が外壁に現れますので、これらのサインを見落とさないよう注意が必要です。
外壁塗装の劣化サインを見逃さないために
外壁に劣化が見られるようになると、外壁塗装の時期が近づいています。劣化は初期症状から始まり、より深刻な段階に移っていきます。劣化のサインを知っておくことで、適切なタイミングで外壁の塗り替えをすることが可能です。
色あせ・ツヤがなくなる
外壁の劣化が始まる初期のサインとして、色あせやツヤが亡くなるという症状があります。外壁の色が褪せたり、ツヤがなくなったりすると、劣化が進行している証拠です。特に注意が必要なのは、元々色が淡いやツヤがない素材の外壁で、これらの変化に気づきにくいでしょう。
汚れ・コケ・カビ
塗装が劣化して撥水性が低下すると、湿気が溜まりやすくなります。湿気は、汚れやコケが発生する原因の一つです。特に日陰の部分はカビが生えやすく、外観が損なわれます。高圧洗浄をすると、一時的に汚れやコケを除去できますが、再び汚れやコケが出現することが考えられます。
チョーキング現象
チョーキング現象とは、外壁に触れた際に白い粉が手に付く現象です。これは、外壁塗装の保護効果が失われてきていることを示すサインです。初期段階の劣化であるため、すぐに重大な問題が生じるわけではありません。
それでも、外壁の保護機能が大幅に低下しているので、劣化はさらに進行していきます。チョーキング現象が見られたら、そろそろ外壁塗装を検討し始めるタイミングです。
ひび割れ
チョーキング現象に続き、ひび割れが現れることがあります。ひびが非常に細いものであれば、大きな問題にはなりませんが、幅が0.3mm以上になると雨水の浸入や雨漏りのリスクが大きくなります。ひび割れが見られた場合は、早めに修繕や外壁塗装を検討することがおすすめです。
剥がれ
ひび割れが深刻になると、雨水の侵入により外壁が部分的に剥がれ始めます。この段階で外壁の防水機能はすでに損なわれており、状況をそのまま放置するのはリスクが高いです。剥がれていない部分も同じように劣化が進んでいるため、防水性はすでに失われていると考えられるでしょう。
コーキング材の劣化
サイディング外壁のジョイント部分に使用されるコーキング材が劣化すると、剥がれてしまうことがあります。これにより外壁を介して雨水が侵入し、建物内部の木材が腐食を始めます。外壁の再塗装だけでなく、基礎や柱の修復も必要となる場合が多く、修理費用は外壁塗装の約2倍になることが予想されます。
劣化サインの緊急度を知る
外壁塗装後約5年で色あせが始まり、ツヤも失われがちです。濃い色の外壁では特に目立つかもしれませんが、この段階では塗り替えはまだ必要ありません。7年目になると汚れが目立ち始め、日陰ではカビが生じることもありますが、まだ塗り替えるには早すぎます。スポンジなどを使用して洗うなど、適切なお手入れで劣化を遅らせましょう。
約10年が経過すると、チョーキング現象が現れます。これは重度の劣化ではありませんが、外壁塗装を塗り替えるのに適したタイミングです。このときに塗り替えを行うと、建物に影響をあたえるような深刻な劣化を防げます。
チョーキング現象を放置すると、次にひび割れが生じ、壁が剥がれ始めます。この段階まで進むと緊急度は非常に高いです。早急に塗り替えを行わないと、雨漏りのリスクが高まり、単なる塗装では対応しきれなくなる可能性があります。
まとめ
外壁塗装をやらないとどうなるのか、劣化の進行度ごとに説明しました。外壁塗装の適切なタイミングを理解しておくことで、壁の変化に適切に対応することができます。チョーキング現象、つまり壁に触れると白い粉が付く状態が見られた場合は、外壁の塗り替えを検討し始める時期です。業者に相談し、見積もりを取り、塗装工事を進めていきましょう。