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ー外壁塗装の塗料種類を完全整理:迷わない選び方と相見積もりの揃え方ー

塗料店と当社のダブル保証付き

外壁塗装の「塗料種類」を理解する意義

塗料は見た目だけでなく、耐久性・防汚性・メンテ頻度・総コストを決める心臓部です。同じ家でも気候や下地状態によって最適解は変わります。本章では主要な塗料種類の特徴を整理し、相見積もりで比較しやすい基準をつくる方法まで、やさしく解説します。先に全体像を掴み、その後に細かな仕様(1液/2液、水性/弱溶剤、艶、弾性など)を重ねていくと迷いが減ります。

アクリル・ウレタン・シリコンの基礎

アクリルは低価格で乾きが早い反面、耐久は短めで仮設足場の費用を考えると再塗装周期が不利になりがち。ウレタンは密着性と汎用性に優れ、付帯部(雨樋・雨戸など)で今も活躍。シリコンは外壁の定番で、価格と耐久のバランスが良い“中核”グレードです。

ラジカル・フッ素・無機のハイグレード

ラジカルは顔料由来の劣化因子(ラジカル)を制御し、耐候性を底上げする設計。フッ素は高い耐候・防汚で、沿岸部や高日射地域などに強み。無機は無機成分比率が高く、紫外線に強いのが特徴ですが、製品により柔軟性や付帯部適合が異なるため「どこに塗れるか」を要確認です。

特殊機能系(遮熱・断熱・光触媒・クリヤー)

遮熱は屋根や高日射外壁で室温抑制に寄与。断熱は膜自体で熱移動を抑えるコンセプトですが、下地・断熱材状況次第で効果差が出ます。光触媒は汚れ分解で美観維持に貢献。ただし適正下地と十分な日照が必要。クリヤーは意匠サイディングの柄を活かせますが、チョーキングが進んだ壁には不向きです。

グレード比較の“正しいものさし”

塗料名だけで決めるとミスマッチが起きます。耐候年数は“理論値”であり、塩害・積雪・日射・風向・周囲の粉じんなどで実効は変わります。ここでは面積あたり総コストと再塗装タイミングの両面から、現実的な判断軸を作るポイントをまとめます。

期待耐用年数とライフサイクルコスト

初期費用だけでなく、足場費を含めた10〜15年トータルで比較しましょう。足場は毎回必要なので、耐久の短い塗料ほど累計コストが膨らみます。長期で住む家なら、シリコン以上(ラジカル・フッ素・無機)を検討する価値が高いです。

地域条件と下地適合

沿岸部は塩害、高地は凍害・温度差、幹線道路沿いは煤汚れが課題。サイディングかモルタルか、旧塗膜の種類(リシン・スタッコ・吹付タイル等)、シーリングの状態でも最適塗料は変わります。製品カタログの「適用下地」「旧塗膜適合」を必ず照合しましょう。

仕様で差が出るポイント(1液/2液・水性/弱溶剤・艶)

同じグレード名でも、硬化方式・溶剤種・艶の選択で仕上がりと耐久の性格が変わります。仕様の理解は“見積の揃え方”にも直結します。大枠を掴んだら、実際の暮らしに合う細部を選んでいきましょう。

1液と2液(硬化方式)

1液は扱いやすく工期短縮に寄与。2液は主剤+硬化剤で化学反応により強い塗膜を形成しやすく、付帯部や厳しい環境で有利な場面があります。どちらが上位というより“適材適所”。外壁は1液、付帯は2液などの併用も一般的です。

水性と弱溶剤(臭気・密着・環境)

水性は臭気が少なく室内への配慮に強み。弱溶剤は低温・高湿時の安定や旧塗膜への密着で有利なケースがあり、付帯部では弱溶剤2液が選ばれることも。周辺環境(保育園・高齢者施設・隣家距離)や季節の工期を踏まえて選択します。

艶(ツヤ有・三分艶・艶消し)

艶有は汚れが付きにくく、膜厚感も出やすい一方で光沢が気になる方も。三分艶は落ち着いた質感と防汚のバランスが良く、人気です。艶消しは意匠性は高いですが、汚れの抱き込みに注意。外壁と付帯で艶を変える設計も有効です。

機能性で選ぶ:遮熱・防藻防カビ・弾性・低汚染

見た目や耐候に加え、生活ストレスを減らす“機能”も重要です。とくに北面の藻、雨筋、ヘアクラック、夏場の暑さなど、具体的な困りごとに合わせて機能を足すと納得感が高まります。性能はカタログの試験方法や数値で客観的に比較しましょう。

遮熱(屋根・上階の暑さ対策)

太陽熱反射率や近赤外線反射のデータを確認。外壁より屋根の方が効果体感は得やすいです。色が濃いほど反射率は下がる傾向があるため、濃色で遮熱を狙う場合は製品選定が重要です。

低汚染・防藻防カビ(雨筋・北面対策)

親水性・撥水性のアプローチや、表面平滑性の違いで実力差が出ます。試験規格(JIS・メーカー独自)の比較と、実写の暴露試験写真があると判断しやすいです。

微弾性・高弾性(クラック追従)

モルタルのヘアクラックが気になる場合は、下塗りに微弾性フィラー、上塗りに弾性系を組み合わせると効果的。ただし意匠サイディングには適さないこともあるため、適用下地の確認は必須です。

色・デザインの決め方:失敗しないコツ

色は面積効果・周囲との調和・エイジングで印象が変わります。小さい色見本は実物より濃く見えがち。A4以上の塗板サンプルや試し塗り写真、近隣施工の見学で“面積・光・距離”の条件を揃えて検討しましょう。付帯部の色分けで全体を引き締める設計もおすすめです。

近隣景観と屋根・付帯の組み合わせ

屋根が濃色なら外壁は中明度でメリハリを、屋根が淡色なら外壁に少し深みを。サッシ色(白・黒・ブロンズ)に合わせて付帯(雨樋・破風)を調整すると統一感が増します。

経年変化を前提にした色選び

明るい無彩色は汚れが目立ちやすく、濃色は退色が目立つ傾向。少し彩度を抑えたアースカラーや、グレイッシュな中間色は経年に強い“手堅い”選択です。

相見積もりで“揃える”チェックリスト

見積の比較は「同じ土俵」で行うことが生命線です。塗料名だけでなく、工程・数量・付帯範囲・シーリング仕様・保証条件まで、項目を揃えると適正な比較ができます。下記をコピペして各社に提示しましょう。

必ず揃える仕様項目

・下地処理:高圧洗浄の圧力・旧塗膜の処置
・シーリング:打ち替え/増し打ち、材料名、プライマーの有無
・工程:下塗り/中塗り/上塗りの回数と希釈率、乾燥時間の基準
・上塗り塗料:製品名、1液/2液、水性/弱溶剤、艶、期待耐用年数の根拠
・塗布量:㎡あたり標準・実施予定、缶数表示の有無
・付帯部:どこまで塗るか(雨樋・破風・鼻隠し・雨戸・基礎等)と塗料仕様
・保証:期間、免責、定期点検の有無
・報告:施工中の写真共有、完了後の使用缶材撮影、有資格者の管理体制

比較時の見落としがちな点

見積総額だけでなく、仮設足場・養生・諸経費の内訳、雨天順延の扱い、近隣挨拶の範囲、清掃・残材処理まで確認。缶数・塗布量が少なすぎる見積は、膜厚不足のリスクがあります。

外壁材別の相性と注意点

同じ塗料でも外壁材で仕上がりと耐久は変わります。サイディングの意匠を活かすならクリヤーか多色塗り、モルタルは微弾性下塗りで肌を整える、ALCは吸い込みムラ対策を厚めの下塗りで抑えるなど、“下地に合わせる”視点が重要です。

窯業系サイディング

チョーキングが進んでいるとクリヤーは不適。意匠を守るなら早めのクリヤー、難しい場合は塗り潰し+目地色分けで立体感を演出します。シーリングは打ち替えが基本です。

モルタル・ALC

モルタルはヘアクラック対策に微弾性。ALCは吸い込みが大きく、下塗りの選定と塗布量管理がポイント。防水層の健全性も合わせて点検しましょう。

“よくある失敗”を避けるコツ

最後に、現場で見かけるつまずきをまとめます。仕様・工程・コミュニケーションの3点を押さえれば、多くのリスクは回避できます。迷ったら「根拠(データ・写真・規格)」で確認しましょう。

塗料名だけで安心してしまう

上位グレードでも、下地処理や塗布量が不足すれば本来の性能を発揮できません。見積・完了写真・使用缶の整合を確認しましょう。

艶・色の事前確認不足

小さな見本だけで決めて、完成後に「思ったよりもテカる/暗い」という後悔が多発。A4塗板・屋外確認・朝昼夕の見え方チェックが有効です。

付帯部を軽く見てしまう

外壁だけ高耐久でも、雨樋・破風・雨戸の劣化が早いと全体の古さが出ます。付帯の仕様と色合わせまで設計しましょう。

まとめ:塗料選びは“揃えて比べる”が勝ち筋

塗料種類は多様ですが、家の条件と暮らしの優先度に合わせて選べば難しくありません。①耐候と総コスト、②下地適合、③地域条件、④仕様(1液/2液・水性/弱溶剤・艶)、⑤付帯の設計、この5点を“同じ土俵”で揃えて比較すること。相見積もりは「仕様表を配って揃える」のが最短ルートです。迷ったら、実績写真とデータで根拠を確認し、納得のいく答えに辿り着きましょう。塗料は見えない性能も多いからこそ、情報を整えて選ぶほど、工事後の満足が長続きします。

2025.10.10