
外壁塗装を自己塗装で行うメリット・デメリット
外壁塗装は業者に依頼するのが一般的ですが、「費用を抑えたい」「自分のペースで進めたい」といった理由から、自己塗装にチャレンジする方も増えています。外壁塗装の自己塗装は、うまくいけばコスト削減と達成感を得られますが、やり方を間違えると塗りムラや早期の劣化を招き、結果的に高くついてしまうこともあります。まずは、外壁塗装を自己塗装で行うメリットとデメリットを整理しておきましょう。
自己塗装のメリット
外壁塗装を自己塗装で行う最大のメリットは、やはり費用を抑えられることです。業者に依頼すると、人件費や足場費などの工事費用がかかりますが、自分で作業すればその分を節約できます。また、自分の好きなタイミングで作業を進められるため、休日や天候を見ながら少しずつ進めたい方にも向いています。さらに、自分の家を自分の手でメンテナンスしたという達成感や愛着が生まれるのも大きな魅力です。
自己塗装のデメリット
一方で、外壁塗装の自己塗装にはリスクもあります。塗料の選び方や下地処理、塗る順番を誤ると、見た目が悪くなるだけでなく、塗膜がすぐに剥がれてしまうことがあります。また、高所作業が必要になるため、安全対策が不十分だと転落などの重大な事故につながりかねません。さらに、作業範囲が広い外壁塗装は、想像以上に体力と時間が必要で、途中で挫折してしまうケースもあります。
外壁塗装を自己塗装する前に確認したいポイント
外壁塗装を自己塗装で行うか、業者に依頼するかを判断するには、事前のチェックが欠かせません。準備や計画を曖昧にしたまま自己塗装を始めてしまうと、「思った以上に大変だった」「仕上がりに満足できない」と後悔する原因になります。ここでは、自己塗装を検討している方が必ず確認しておきたいポイントを整理してご紹介します。
自宅の外壁の状態をチェックする
まずは、ご自宅の外壁の状態をしっかり確認しましょう。ひび割れが多い、サイディングの反りや欠けが目立つ、防水シーリングが大きく割れているといった症状がある場合は、単純な自己塗装だけでは対応しきれないことがあります。そのまま塗装しても、下地の傷みが原因で早期にトラブルが起こる可能性が高いため、補修や専門的な診断が必要になるケースも少なくありません。
必要な道具と費用の目安を把握する
外壁塗装の自己塗装では、塗料だけでなく、ローラーや刷毛、養生テープ、マスカー、高圧洗浄機、脚立や足場など、多くの道具が必要です。これらをすべて買い揃えると、思っていたより費用がかかることもあります。また、耐久性の高い塗料ほど価格も上がるため、「安さだけ」で選ばず、外壁材との相性や期待耐用年数も考えながら検討することが大切です。
作業に充てられる時間と体力を考える
外壁塗装の自己塗装は、洗浄・下地処理・養生・下塗り・中塗り・上塗りといった工程を、すべて自分で行う必要があります。平日の仕事終わりや週末だけで作業を進める場合、完了までに数週間から数カ月かかることも珍しくありません。長期間にわたって作業を継続できる体力とスケジュールを確保できるか、現実的な視点で判断することが重要です。
外壁塗装を自己塗装で行う基本的な手順
ここからは、外壁塗装を自己塗装で進める際の大まかな流れを解説します。実際の工事では、建物の状態や使う塗料によって細かな手順が変わる場合もありますが、基本の流れを理解しておくことで、作業の全体像をイメージしやすくなります。外壁塗装の自己塗装にチャレンジしたいと考えている方は、一歩ずつ丁寧に進めることを意識して読み進めてみてください。
1. 外壁の洗浄と下地処理
最初の工程は、外壁に付着したホコリやコケ、古い塗膜の汚れを落とす高圧洗浄です。汚れが残ったまま塗装すると、塗料が密着せず、剥がれや膨れの原因になります。洗浄後は、ひび割れを補修したり、サビ部分をケレンで落としたりといった下地処理を行います。この下地処理を丁寧に行うかどうかで、外壁塗装の自己塗装の持ちが大きく変わるため、決して手を抜かないようにしましょう。
2. 養生作業で周囲を保護する
次に行うのが、窓やサッシ、玄関ドア、エアコン室外機などをビニールシートやマスカーで覆う養生作業です。養生が不十分だと、塗料の飛び散りでガラスや床が汚れてしまい、掃除に手間がかかります。外壁塗装の自己塗装では、塗る作業ばかりに目が行きがちですが、養生を丁寧に行うことで、仕上がりの印象もぐっと良くなります。
3. 下塗り・中塗り・上塗りの順に塗装する
外壁塗装の塗り工程は、下塗り・中塗り・上塗りの三回塗りが基本です。下塗りでは、外壁と仕上げ塗料を密着させるための専用塗料を使用します。中塗りと上塗りでは、同じ仕上げ塗料を二回に分けて塗ることで、ムラの少ない美しい仕上がりと、十分な塗膜厚を確保します。それぞれの工程で、乾燥時間を守ることも外壁塗装の自己塗装を成功させるポイントです。
自己塗装か業者依頼かを判断するための考え方
最後に、外壁塗装を自己塗装で行うべきか、それともプロの業者に依頼すべきかを判断する際の考え方を整理しておきましょう。自己塗装は魅力も多い一方で、時間・労力・リスクも伴います。ご自身の状況や住まいの状態に合わせて、無理のない選択をすることが大切です。
部分的な自己塗装という選択肢もある
「全部を自分で塗るのは不安」という場合は、ベランダの手すりや塀など、比較的低い場所や面積の小さい部分だけを自己塗装で行う方法もあります。高所作業や大がかりな足場が必要な部分は業者に任せ、安全性と仕上がりを優先することで、外壁塗装のリスクを抑えることができます。
長期的なコストと安心感で比較する
自己塗装は初期費用を抑えやすい反面、施工不良があると数年で塗り替えが必要になり、結果的にトータルコストが高くなることがあります。プロの業者に外壁塗装を依頼した場合は、保証やアフターサービスがつくことも多く、万が一トラブルが起きても相談できる安心感があります。費用だけでなく、耐久性や安心感も含めて、自己塗装と業者依頼を比べてみてください。
外壁塗装を自己塗装で行うかどうかは、正解が一つとは限りません。外壁の状態やご自身の経験、予算やライフスタイルによって、最適な選択は変わってきます。まずは情報を集めたうえで、無理のない計画を立てることが大切です。そのうえで、「できる範囲は自己塗装」「難しい部分は業者へ依頼」といった柔軟な組み合わせも検討しながら、納得のいく外壁塗装を目指してみてください。
