ー外壁塗装の最適な頻度とは?定期的なメンテナンスの重要性を解説ー
建物の外壁を保護し、長持ちさせるためには外壁塗装が欠かせません。新築から10年が経過すると、外壁の塗装が劣化し始め、再塗装が必要となる場合が多いです。再塗装をしないで放置すると、屋根の雨漏りだけでなく、外壁からも雨水が侵入するリスクがあります。外壁塗装の塗り直しは、建物を守るためにも欠かせません。
しかし、多くの人が適切な塗り直しの頻度については、よくわからないと感じています。この記事では、外壁塗装の理想的な頻度と、塗料による耐用年数の違いについて解説します。
外壁塗装の定期的な塗り替えが必要な理由
外壁塗装を定期的に塗り替える必要がある理由は、主に以下の3点です。
・外壁の損傷を予防するため
・外壁の性能を維持するため
・災害時の耐久性を高めるため
建物の保護を目的とした、定期的な塗り直しは必須です。適切なタイミングで塗り直しを行い、建物の状態を良好に保つことが大切です。
1.外壁の損傷を予防する
外壁塗装には、ヒビ割れなどの破損を防ぐ効果があります。塗装が劣化してしまうと、外壁にヒビが入ることがあります。
ヒビ割れが生じると、雨水が内部に侵入しやすくなり、壁の腐食につながる恐れがあります。そのため、外壁塗装を行うことでひび割れを予防し、既存のヒビ割れを補修する効果も期待できます。
建物を長持ちさせるためにも、外壁塗装は非常に大切です。
2.外壁の性能を維持する
外壁塗装は遮熱や防水など、多くの性能が備わっています。これらの性能を維持するためには、定期的な塗装の塗り替えが必要です。
たとえば、遮熱効果を持つ塗料を使用すると、内部の温度上昇を防ぐ効果があります。しかし、塗料が劣化するとこのような機能も低下します。したがって、塗料の機能性を維持し、再び高めるためにも、外壁の再塗装は欠かすことができません。
3.災害時の耐久性を高める
外壁塗装は、防災面でも大きな役割を果たします。塗装をすることで、建物の劣化を防ぎ、耐震性を向上させることが可能です。一方、ひび割れなどの損傷をそのままにしておくと、地震時に建物のダメージが増大する恐れがあります。
特に、最近では各地で地震が頻発していることを考えると、耐震性を高めるためにも外壁塗装を定期的に行うことがおすすめです。
外壁塗装の適切な頻度
外壁塗装をどれくらいの頻度で行えば良いのでしょうか。適切な頻度について解説します。
10年に1回が理想的な頻度
理想的には、10年ごとに外壁塗装を行うのが一つの目安です。この頻度でのメンテナンスは、確かに負担が大きいかもしれません。
特に、住宅ローンが残っている場合、高額な維持費を支払うことは大変でしょう。そのため、外壁塗装を専門とする業者に定期的なメンテナンスを依頼し、コストを抑えることがおすすめです。
適切なメンテナンスを行うことで、必要な塗り直しの頻度を減らすことができ、長期的には総費用を削減する効果が期待できます。
環境によって頻度が異なる
外壁塗装の理想的な頻度は10年ほどと説明しましたが、建物が置かれている環境によっては、頻度に違いが出ることがあります。
たとえば、日陰が多く湿気がたまりやすい場所では、カビが発生しやすいため、塗装の頻度が高くなりがちです。またに、雪国や海辺などの環境では、雪や塩風が塗料の劣化を早めるため、より頻繁なメンテナンスが求められます。
したがって、10年ごとという目安は基本的なガイドラインとして考え、具体的な状況に応じて適宜調整することが必要です。
塗料による頻度の違い
外壁塗装の耐久性は、使用される塗料によって大きく異なります。各種塗料の性質によって、必要な塗り直しの間隔に違いが出るためです。
主要な塗料タイプとそれぞれの耐用年数、塗り直しの頻度の目安について、次の項目でくわしく解説します。
外壁塗装の塗料による頻度の違い
外壁塗装の再施工時期は、使用された塗料の耐用年数に基づいて決定されます。外壁塗装に用いられることが多い、主要な塗料は以下の通りで、それぞれの耐用年数について解説します。
- アクリル系塗料
- ウレタン系塗料
- シリコン系塗料
- その他の塗料
アクリル系塗料の耐用年数:約8年
アクリル系塗料は低コストのため、以前は広く使用されていました。しかし、耐用年数が短いため、頻繁な塗り直しが必要というデメリットがあります。このため、現在は他の塗料に比べて、使用頻度が減少しています。
ウレタン系塗料の耐用年数:約12年
ウレタン系塗料は、アクリル系塗料の代替として多く使用されるようになりました。アクリル系塗料とくらべて塗り直しの頻度が少ないです。
しかし、それでも定期的な塗り直しが必要とされており、現在ではより長持ちするシリコン系塗料への移行が進んでいます。
シリコン系塗料の耐用年数:約15年
最近、主流となっているのはシリコン系塗料です。価格が比較的手頃であるため、多くの新築で選ばれるようになっています。
塗り直しの必要が少ないため、長期的なメンテナンスにも適した塗料としておすすめされています。
その他の塗料
フッ素系塗料や光触媒塗料などの高機能塗料の中には、耐用年数が約20年の高耐久塗料もあります。
耐用年数が長い塗料は塗り直しの必要が少ないなど、多くのメリットがありますが、高額なため新築時に使われることは少ないです。主に塗り直しの際に選ばれています。
最終的な頻度は外壁塗装業者の点検次第
チョーキング現象(塗料の粉が手に付く状態)やカビの発生は、実は外壁塗装の最適なタイミングを逸している可能性があります。また、サイディング材やコンクリート建造物(RC造など)に塗装した場合、適切な塗り直しのタイミングも異なります。
外壁塗装に劣化が見られるような状況では、外壁塗装業者による定期的な点検が必要です。信頼できる業者であれば、最適な塗り直しのタイミングを見極めて提案してもらえます。そのため、新築後10年未満からでも定期的な点検を依頼することをおすすめします。点検によって、適切な塗り直し頻度やタイミングが明らかになるでしょう。
まとめ
外壁塗装は一定の間隔での塗り替えが必要です。特に塗料の劣化を示すチョーキングが見られた場合は、すみやかな対応が求められます。これはRC造やサイディングの外壁にも共通で、塗り替えを検討する必要があります。
定期的な外壁のチェックとメンテナンスを専門の業者に依頼し、状況に応じた補修を行うことが重要です。適切な時期にメンテナンスを行えば、長期的に見て住宅の維持コストを抑えることが可能です。