外壁塗装は、全ての素材においてメンテナンスが不可欠です。一部にはメンテナンスフリーを謳う素材も存在しますが、一般的にはどの種類の外壁塗装も定期的なメンテナンスが求められます。
使用される素材によって耐用年数は異なりますが、それに左右されずに、建物の立地や以前のメンテナンス履歴に応じて、必要なメンテナンスの頻度や内容が変わります。
定期的に行われるメンテナンスは、初期費用がかさむと感じるかもしれませんが、適切なメンテナンスは長期的に見れば劣化を防ぎ、結果的にコストを抑える効果があります。
本記事では、外壁塗装のメンテナンスを行う適切なタイミングや、外壁塗装を行う前に知っておくべきことを解説します。
外壁塗装のメンテナンスを考えるタイミング
外壁塗装のメンテナンスは、一般的に新築後や前回のメンテナンスから約10年を目安に検討されることが多いです。
しかし実際には、建物の位置や外壁の素材の種類、自然災害の影響などによって、10年よりも早い段階でメンテナンスが必要になることもあります。
一方で、約10年という目安は、それを過ぎても外壁塗装が十分な状態である可能性を示しています。したがって、この期間を目安として、定期的にメンテナンスを検討することがおすすめです。
外壁塗装の適切な時期を知る
外壁塗装の耐用年数は、使用される素材によって大きく異なります。そのため、メンテナンスを検討する際は、最初に自宅の外壁に使用されている素材の種類を把握することが大切です。
たとえば、窯業系サイディングの場合、耐用年数は約7年から8年程度と短めですが、タイルの場合は約40年の耐用年数が期待できます。
素材によっては、メンテナンスが必要なタイミングや具体的な方法も異なるため、どの素材を使用しているかが分からない場合は、専門業者による診断を受けると良いでしょう。
外壁塗装の劣化サインを見逃さないために
外壁塗装は、台風や地震などの特別な事情がない限り、突然の劣化や破損は稀です。通常の劣化は、何らかの兆候が見られます。
重要なのは、これらの初期の劣化サインを見逃さず、素早くメンテナンスを行うことです。
新築や最後のメンテナンスから時間が経過し、外壁に色褪せが見られる場合、劣化が進行している可能性が高いです。このような状態が見られたら、塗り替えなど、メンテナンスの必要性があります。
特に、日光にさらされる面では色褪せが見られることが多いので、耐用年数にかかわらず、注意が必要です。
塗膜のひび割れや剥がれも、わかりやすい劣化のサインです。これらが見られる場合は、劣化が進行しています。雨漏りなどの問題が発生する前に、迅速なメンテナンスを行うことが望ましいです。
また、外壁材の継ぎ目にあるシーリングがひび割れている場合は、シーリング材の劣化が始まっています。この場合は、早期に対処すればシーリング材の交換だけで済むこともあります。
外壁の現状を正確に把握する
外壁塗装のメンテナンスを検討する際には、外壁の現在の状態を把握することが大切です。
外壁の状態は個人でチェックすることも可能ですが、2階以上の高所での確認はリスクが伴い、また自分だけの判断だと見落とすこともあります。
目に見える劣化が感じられなくても、専門家が診断を行うと、すでに劣化が進行していることは珍しくありません。
そのため、外壁の状態を正確に知るためには、メンテナンスを検討する際は専門の業者による診断を最初に受けることをおすすめします。
この診断を通して、適切なメンテナンス計画を立てるための具体的な提案を受けることができます。
メンテナンス費用を抑える方法
外壁塗装のメンテナンスを検討する際、多くの人が気になるのはコストです。
外壁塗装作業では、安全性と効率を保つために、足場の設置が必須となります。一般的に、費用が高くなる原因は、足場にあります。
そこで、費用を抑えるためには、外壁塗装のメンテナンスと同時に屋根のメンテナンスを行うことが効果的です。初期の出費は増えますが、足場設置に関連するコストを一度で済ませることができます。
結果として、全体的な家のメンテナンスコストを下げることが可能になります。
定期的な点検が必要
外壁塗装のメンテナンス費用を抑え、大規模な工事を避けるには、定期的な点検が必要です。
定期的な点検により、劣化を早期に発見し、必要な対処を行うことで大がかりな修繕を回避できます。
また、外壁の状態を把握しやすくなり、メンテナンス計画もスムーズになります。
自分でもできる外壁塗装の手入れ
外壁塗装に明白な劣化が見られる場合や、既に症状が現れている場合は、専門業者に依頼する必要があります。
しかし、症状がなく、劣化を予防したい場合は、自分でも外壁塗装の手入れが可能です。外壁の汚れを放置しないことが、まず重要です。
定期的に水を使って外壁を洗い、必要に応じて洗車用のスポンジで汚れを落としましょう。汚れを放置しないことで、劣化の進行を防ぐことができます。外壁塗装の汚れを落とす目安は、年に1回から2回です。
ただし、注意が必要です。一部の塗装タイプでは、激しい摩擦によって塗膜が剥がれる可能性があるため、力を入れてこすらないようにしましょう。
まとめ
外壁塗装は、どの素材であっても、必ず定期的なメンテナンスが必要です。必要なメンテナンスやその時期は、外壁の素材やこれまでのメンテナンス、建物の立地条件などによって異なります。
外壁の定期的な点検を受けることで、どのようなメンテナンスが必要になるかを把握できます。外壁の状態を正しく把握することで、劣化に早く気づき、必要なメンテナンスの時期を計画することができます。
建物が新築されてから約10年が経過した場合、外壁塗装の状態を知るために専門業者に相談することをおすすめします。