近年の温暖化の影響か、夏はエアコンがないと家の中で過ごすことが難しくなってきました。「この時期にこんなに暑かったっけ?」と年々暑さを感じる時期が長くなったと思う方も多いのではないでしょうか。熱中症で搬送される方も多く、生命の危険さえ感じます。
しかしエアコンを一日中使っていると電気代が気になりますし、エアコンを使い続けることで今度はヒートアイランド現象の心配もしなくてはいけません。
そのため、一年を快適に過ごすために、外壁塗装に断熱効果のある塗料を選択する方も増えてきました。建物に断熱を施すと夏の暑さを和らげてくれるだけでなく、一年を通して快適に過ごせるさまざまな効果があります。この記事では外壁塗装の断熱効果と、建物の断熱方法について詳しく解説していきます。
外壁塗装の断熱効果
外壁塗装は家が長持ちするといわれ、10年ごとを目安にした再塗装が良いとされています。外壁塗装には外壁の保護や、見た目を美しくする効果がありますが、断熱効果のある塗料を選択することで、より室内を快適に過ごせるようになります。では、外壁塗装で断熱をすると、どのような効果があるのでしょうか?
建物を断熱することで得られる4つの効果をあげていきます。
効果1:室内の温度を保ってくれる
効果2:節電になる
効果3:結露防止効果がある
効果4:健康被害を防止する
それでは外壁塗装の断熱効果についてそれぞれみていきましょう。
効果1:温度を保ってくれる
外からの熱を反射させて夏の暑さを和らげ、反対に冬は室内の暖かい空気を逃がさず温度を保つことが可能です。断熱効果を高めると夏は涼しく、冬は温かい家になり、一年を通して快適な温度で過ごせます。
効果2:節電になる
断熱は、夏は外の熱が室内に入ってくることを防ぎ冬は室内の熱を逃がさないことで、エアコンやヒーターの使用量を削減。その結果消費電力が減って節電効果が期待できます。暖房を使用するときに排出する二酸化炭素も減らせるので、環境に優しい家づくりが可能です。
断熱塗料を使った外壁塗装には、助成金を出している自治体もあります。助成金があれば外壁塗装の費用も節約できますので、チェックしてみてくださいね。
効果3:結露の防止効果がある
結露とは、室内と外の温度差が大きくなることで、冷やされた空気中の水蒸気が水滴になって現れる現象をいいます。
目に見える結露だけではなく、壁の中に発生する目に見えない結露にも注意が必要です。放っておくと大量の水滴が壁や床に落ちて、家を支えている柱や土台を腐らせる原因になります。日本の家屋は水に弱い木材をたくさん使っているため、家の寿命を縮めることにもなりかねません。
断熱をすることで、室内と外の温度差を抑えて結露を防止する効果も期待できます。
効果4:健康被害を防止する
前項で解説した通り、断熱は結露を防止します。発生した結露をそのまま放置するのはカビやダニを発生させる原因の一つです。カビやダニはいつのまにか家具の裏側やカーテンなどに発生し、知らないうちに私たちの健康を害する恐れがあります。
カビやダニは、呼吸器疾患やアレルギーを引き起こす大きな原因の一つです。結露の発生を抑えることが、カビやダニの発生を抑え、住人の健康を守ることにつながります。
断熱効果のある塗料とは
実は、ただ外壁塗装をするだけでは断熱効果にはあまり期待ができません。断熱効果がある塗料を塗ることで、はじめて断熱効果を高めることが可能になります。
「断熱塗料」だけではなく、「遮熱塗料」も断熱効果のある塗料として使われている一つです。遮熱塗料と断熱塗料の違いはどのようなものなのでしょうか?
性能や用途の違いなど、詳しくみていきましょう。
遮熱塗料
遮熱塗料は赤外線(熱)を反射する機能をもっていて、熱を抑えます。
太陽の光を遮ることに特化しているため、夏の暑さ対策に効果が高いです。
夏の屋根表面は50℃〜70℃ほどになるともいわれ、この屋根からの熱が室内を熱くさせる原因になります。遮熱塗装は屋根からの太陽の光を遮り、この温度の上昇を抑えることが可能です。
太陽の光を遮るのであれば、冬は部屋が寒くなってしまうのではないかと心配される方もいらっしゃるでしょう。
しかし遮熱塗料を使用したからといって、冬に明らかに寒くなることありません。
なぜなら、夏の太陽と冬の太陽では日射角度が違うからです。夏は太陽の位置が高く、屋根からの熱で室内が暑くなってしまいますが、冬は太陽の位置が低く日射角度は30度ほどといわれています。冬は窓などから熱が入ってきているため、遮熱塗料をしてるのとしていないのでは、明らかな違いはないのです。しかし遮熱塗料には熱を留める効果はないので、冬に寒いことで悩んでいる方にはあまりおすすめできません。
断熱塗料
赤外線(熱)を反射し、熱伝導率が低い塗料です。熱伝導率が低いというのは、熱を反射するうえで外からの熱を通しにくくし、室内の熱を逃がしにくい特徴のことです。この断熱塗料を使えば、夏は暑さを軽減でき、冬は寒さを和らげる保温効果も期待できます。
熱を反射する機能については遮熱塗料も断熱塗料も同じですが、それに加えて断熱塗料にはため込んだ熱も伝わりにくくする機能が備わっています。遮熱塗料の効果は夏に限定されるのに対して、断熱塗料は室内の温度を一年を通して快適に保てるのがうれしいですね。
機能性に優れている分、遮熱塗料より価格が高い設定になっています。
建物の断熱方法とは
建物の断熱方法として、外壁塗装に断熱塗料を塗る方法と、もう一つ断熱材の設置があります。断熱材は屋根と室内の間に設置して熱の移動を抑えるものです。
エアコンの効きがよくないなと感じたら断熱材が設置されていなかったり、結露で断熱材が腐食してしまっている可能性があります。断熱材の設置には定期的な点検とメンテナンスが必要です。
そしてこの断熱材の設置と、断熱効果のある塗料を用いての外壁塗装を併用することで断熱効果をより高められます。併用することも選択肢の一つとして覚えておくといいでしょう。
まとめ
外壁塗装の断熱効果や方法、断熱効果のある塗料について詳しく解説していきました。
近頃の夏の暑さや電気代の高騰を考えて、断熱効果のある塗料を使っての外壁塗装を検討する方も増えています。断熱効果は、普通の塗料に比べ割高な傾向にあり、建物によっては効果を実感しにくい場合もあるのが事実です。しかし実際に「冷房が効きやすくなった」との声も多くあります。
ぜひこの記事を参考に、断熱効果のある塗料を検討してみてくださいね。